総額500万ユーロ!宝石を盗んだ容疑者の完璧なアリバイとは

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犯罪の容疑者として拘束された者が事件への関与を否定するためには、現場不在証明、いわゆるアリバイが必要になる。推理小説や探偵小説でも、頭脳派の犯人が作り出した虚偽のアリバイを巡って、刑事や探偵と丁々発止の駆け引きが展開されることが多い。

このアリバイを巡って、ヨーロッパで少々奇妙な、そして大変困った事態が発生したことがある。通称KaDeWe(カデヴェ)として知られるKaufhaus des Westens はベルリンにある百貨店である。ヨーロッパで2番目に大きなこのデパートに、2009年2月25日、覆面をした3人の泥棒が押し入った。

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縄梯子を伝って侵入した男たちは、設定されている数々の防犯装置にかかることなく一階メインフロアを荒らしまわり、首尾よく宝石を奪取した、とそこまでは良かったのだが、このとき犯人の一人はそこに手袋の片方を置き忘れるという、重大な失態を犯してしまったのだ。

当然警察はこの手がかりを最大限に活用。最新のDNA判定などのテクニックを駆使した結果、捜査線上に「二人の」男が浮上した。名前はハッサンとアバス。早速重要参考人としてしょっ引いてきたのだが、ここで困った事態になってしまった。実はこの二人の男、一卵性双生児だったのだ。

困った事態というのは、彼ら二人のDNAがあまりに似通っているために個人としての特定ができず、ドイツの法律では彼らを逮捕することができないということだった。物証として使える手袋はひとつで、一人分のDNAしか検出されていない以上、どちらか一人しか逮捕することができないからだ。そのため二人が事件へ関与していることは疑いが深いとは事実としながらも、警察は彼ら二人を泣く泣く釈放せざるを得なかったという顛末。ちなみに3人目の男の行方は杳として知れない。

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実はこのような例は世界中で発生しており、犯罪捜査の上で問題となっている。日本でもロシア人船員が麻薬密輸容疑で逮捕されたものの、アリバイのある双子の兄弟と見分けがつかない、という理由により無罪判決を受けた例があった。

もちろん双子であろうとなかろうと、証拠が豊富であったり現行犯逮捕であったりして、事件への関与が疑いがないと立証されうる状況であれば、有罪とすることはできるのである。しかし多くの国では刑事事件に関して「疑わしきは罰せず」という立場を取っているために、どうしてもこのような事態が発生してしまうことがあるのだ。

ここで一つ疑問がある。それは百貨店のセキュリティをかいくぐるほどのテクニックを持った有能な泥棒が、身に着けている手袋を置き忘れるなどということがあり得るだろうか、ということである。もしかしたらハッサンとアバスは、このような状況になることを見越して、警察に挑戦状をたたきつけたということも考えられるのではないだろうか。


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