探偵の職場結婚★お互い仕事の理解はあるもののその裏側は?

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どんな職場にも職場恋愛というのはあるもので、探偵だって例外ではない。
それが上手くいくと、その二人は夫婦で探偵ということになる。

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「夫婦(めおと)探偵」というやつだ。
夫婦がペアを組んで調査に当る姿は見ていて微笑ましかったりするのだが、別の問題を生み出したりもするわけで……。

 

とある男性からの依頼。
「婚約者が風俗店で働いているかどうか調べてほしい」というもの。

通常、風俗関係の女性の調査は難度が高い。
客のなかにはタチの悪い男もいるせいか、普通より警戒心が強いのだ。
しかも今回、わかっているのは「顔」と「勤めている店」だけ。
厄介なことに源氏名すらわからない。

そこで『一人が客を装って店に入り、ターゲットの風俗嬢を確認。
店から出てくるターゲットを追跡する』という作戦が立てられた。

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他の調査との兼ね合いもあり、その潜入調査を夫婦探偵の夫が担当することになる。仕事とはいえ、妻公認で風俗店に入るのだ。すまなそうにする夫探偵に、妻探偵は、

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「いいよ。仕方ないじゃない」
にっこりと笑いながら理解を示した。

しかし、調査は難航した。
どうやら、その風俗店は多くの女性が不定期に出勤するタイプの店らしく、なかなかターゲットの風俗嬢を確認することができないのだ。
そのため、夫探偵は何度も何度もその店に通うことになる。

妻の目の前で「風俗通い」する夫。妻が面白いわけがない。
だが妻探偵は怒ったりはしなかった。

「気にしないよ。全然、平気。だって仕事だもの」

ニコニコと、笑顔で理解を示し続ける妻探偵。
しかし、同僚の探偵達にはわかる……見える。その背中から、

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青白い“怒りのオーラ”が噴きあがっているのが!

事務所内で妻探偵の口数が少なくなっていく。夫探偵の口数も減る。
夫婦の間の空気が重く冷たく、張り詰めて行く。
同僚探偵も遠慮するかのように口をきかなくなる。
まるで爆発物の隣にいるような緊張感が事務所内を満たしてゆく。

(……空気が重い)
(この雰囲気には耐えられない)
(早く……早く、ターゲットを確認してくれ!)
そう願いつつ、同僚達は大人しくプレッシャーに耐え続けるしかなかった。

 

やがて、夫探偵から連絡が入った。
「ターゲットが確認できました。今日、店に出勤しています! 合図するので尾行してください」

同僚達は一斉に立ち上がった。

「いくぞ、みんな!!」
「おう!」

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一同は気合いをいれて調査に出発する。
調査成功のために。というより、早くこの案件から逃れたいがために。

 

(きっと、今日の調査は成功するだろう)
その様子を見ながら所長はそう思った。

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(これほど、皆の心が一つになったことはない)
(相手が風俗嬢だろうと関係あるものか、きっと成功する)
(……っていうか、成功してくれ!)
(俺もこれ以上は耐えられない。失敗してくれるな!頼む!)

探偵の仕事は男女の機微を扱うことが多い。
夫婦探偵はその機微に通じていることが良い点と言えるだろう。なにしろ、このような職業で紆余曲折の末、結婚した男女なのだから。
しかし、今回のように周囲を困らせてしまうことも多いのである。

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ガルエージェンシー特捜班

ガルエージェンシー本部直属の特別捜査班。 事件との対峙を主な任務とし、選ばれた精鋭が集う。 海を超える情報網とその捜査力は圧巻の一言。

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